いかがでしたでしょうか?
60年代ごろの標準装備化される前のマルシン工業製「ハイゼックス」レッグシールドについて調べてみましたが、残念ながら2024年4月現在ではわかりませんでした!★ミ
しかし当会では今後も調査に努め解明を目指す所存です。今後の展開に期待ですね!
終
制作・著作
━━━━━
ⓃⒽⓀ
目次
▼いつからだろう、レッグシールドがエモく見えるようになったのは
ビジバイにピリオンシートをつけるのが紳士のたしなみならば、レッグシールドを装着するのは乙女の・・・あ~、なんでしょうね。私も乙女になりたいです。
さて、ビジバイ原理主義に染まるマニア諸氏におかれましては、鉄箱と並ぶあじわい装備がレッグシールドであるかと存じます。
そのレッグシールドも、80年代以前は標準装備ではなく社外品や純正オプションという扱いだったことをご存知でしょうか?それが「ハイゼックス」レッグシールドなのです。
し・か・も、
それだけであればただの「昔のレッグシールド」に過ぎませんが、60年代から00年代まで駆け抜けたロングライフベンリイなCD50においては、80年ごろに標準装備に切り替わり、それに伴いデザインや構造も変わったため、「ハイゼックスレッグシールド」「標準レッグシールド」の2種類存在することになります。
そんなマニアマインドをくすぐるハイゼックスレッグシールドですが、レッグシールドというオタク以外どうでも良いアイテムであること、樹脂という壊れやすい部品であることなどから、物量も情報量も極めて乏しい現状です。
そこで当会ではハイゼックスレッグシールドについて可能な限り調査してみました。なおその結論については本稿冒頭を御覧ください。
▼”ハイゼックス” ってな~に?
ハイゼックス®
株式会社プライムポリマー様 ウェブサイトより
1958年、日本で初めて製造を開始した高密度ポリエチレンです。引張強度、剛性が高く、耐衝撃性にとくに優れ、また、成形時の耐熱安定性、耐ストレスクラッキング性、長期間の耐候性や耐クリープ性にも優れた特徴を有しています。
ドイツの研究所の特許をもとに三井化学が生産方法を確立、オートバイにおいては同年スーパーカブC100より外装部品で使用されている(ってWikipediaに書いてありました)。
つまるところハイゼックスというのは樹脂(ポリエチレン)の商品名で、レッグシールドなどの外装部品としてのブランドではございません。
それまでのオートバイでもレッグシールド的な外装は存在しましたが、材質は鉄やFRP。それぞれの懸念点であった重量と衝撃に対する強さ(凹まない、割れない)の両立を目指して採用されたのが、画期的なハイゼックス樹脂だったのです。
従いましてホンダ社ではマルシン工業社がハイゼックスレッグシールドを手掛けておりましたが、他メーカーでは旭精機社によるものも存在したりしていたようです。
※よって「ハイゼックスレッグシールド」という表現は極めて正しくないのですが、当記事ではめんどうくさいのでそのままハイゼックスシールド呼称を続けます。
https://aucfree.com/items/d365567848
「ベンリイ」シリーズですと、「C92」(1959年)から「CD125T」(1977年)まで純正オプションでの設定が確認出来ることから、およそ1960年から80年ごろまでの約20年作られていたのではないかと考えられます。
▼メーカーに聞いてみよう!
わからないことはまずメーカーに聞いてみるのが一番です。
便利「1960・70年代のホンダ二輪製品のレッグシールドは御社によるハイゼ(以下略」
マルシン工業さま「ごめん、昔すぎてわからん・・・」
だよね!
ご対応ありがとうございました!
▼ハイゼックスレッグシールドがやってきた!~C201につけてみた!
あれはある秋の日のことだった。
俺は、あ~ハイゼックスってなんなんだよ~おれもハイゼックスしてえよお~という鬱屈とした気持ちを抱えながら、代わり映えのしない退屈な日々を過ごしていた。
どうしてなんだろう。
どうして俺の人生にはハイゼックスがないのだろう。
諦めずにやっていれば、いつかはハイゼックスできると思って頑張ってきたけど、根拠のない希望に縋って生きるのも、ほとほと疲れた。
むしろ、「お前にハイゼックスが来ることはない」と誰かに切り捨ててもらいたかった。
自分でやめる勇気もなく、俺はその日も日課であるハイゼックスおねだり音頭を自宅で踊っていたのだが、やがて誰かが扉を叩く音がしたんだ。
慌てて服を着て戸口に向かうと、そこには大きな段ボール箱をくわえたクロネコがいて、俺に言うんだ。
「待たせたな、”届け物”だ」ーー
・・・って何読んでるんですか?この部分いみないんですっと飛ばした方がよかったですよ。
ハイゼックスシールド、色々あって入手しました。現物を見なければ話にならない。
型番「U200-B003」です。
レッグシールドの型番は他にも「US90」「U92」などがありますので、CS90だとかC92だとか、この型番が適合車種を指しているのではないか、ならばこれは「ホンダ90 C200」用のシールドではないか、とか思ったり。
中身はこんな感じです。
見てもよくわかりませんが、上部は車体ネック部分に引っ掛けて吊り下げる構造なのでしょう。
手に入れたからには車両に付けてみようということで、
その年の冬のベンリーミーティングではC201の参加連絡が入っていましたので、C200につくならC201でもいけるだろうとレッグシールドアルヨイカガデスカなどと怪電波を送り、試着と相成りました。
当日。
冬らしいよく晴れた日に、たくさんのベンリィやYB・YBRが集まり歓談に湧く中でレッグシールドと向き合う男たち。何やってるんでしょうね。
いやすみません、私は苦しんでいるオーナー様をただ見てるだけでした。本当に。
四苦八苦しながらなんとか装着した姿がこちら。
素晴らしいですね。やはりビジバイにはレッグシールドが不可欠です。時代はレッグシールド。
なお、この取り付けの戦いで得られたハイゼックスマニア知識が2点ありまして、
・フレームにぶらさげる部品図⑧「取付金具」は説明図とは上下逆に取り付ける
・下部ステーはクランクケースに固定する(CD50・90の純正シールドはシリンダーなので違和感)
というものでした。罠か?罠だろ。いや、罠に違いない。
それでは、はじめてのハイゼックスなかよし秘密さわさわを超ひどい下調べ無しで楽しんだところで、改めて基本的な構造をまとめてみましょう。
▼ハイゼックスのコト、知っちゃお!~構造編
部品名 | 数量 | 説明 |
---|---|---|
レッグシールド右 | 1 | 右側シールド |
レッグシールド左 | 1 | 左側シールド |
取付金具本体[腕] (レッグシールドホルダー) | 1 | 本体(上側のステー) |
楕円形座金 またはサイドプレート | 4 または2/2 | シールド上部の金具 シールドと本体を2箇所×ビス2本で固定 サイドプレートのある製品は、 外側はサイドプレートで固定する |
下部飾座金 | 2 | シールド下部の金具 シールドと下部ステーをビス2本で固定 |
下部取付ステー左 | 1 | 下側のステー エンジンや車体に固定 |
下部取付ステー右 | 1 | 下側のステー エンジンや車体に固定 |
取付金具 | 1 | コの字型の金具 車体に引っ掛け取付金具本体と固定し吊り下げる 無いものもある(フレームに直接ボルト留め) |
車種ごとに細かい違いはあるものの、基本的な構造と構成部品は図・表のようになっています。
CS90系・SS50系のTボーンフレーム車はタンクをマウントするゴム部品との干渉をギリギリ避けながら、「取付金具」でフレームのネック部分から吊り下げ、下部ステーはクランクケースと共締めする構造ですが、CD125系のクレードルフレーム車(と92)は上部は吊り下げずフレームに直接固定、下部はダウンチューブに固定(エンジンマウントと共締め)する構造となっています。
また今回入手したU200-B003はウィングエンブレムがあしらってありますが、調べてゆくと、ものによってはそれが無かったり、シャレオツな「サイドプレート」も撤廃されたものがあることがわかりました。
当会では過酷なインターネットハイゼックス活動で知見を深め、現在までに少なくとも9モデルの「ベンリイ」向けハイゼックスの存在を把握しました。
未来のハイゼックス依存症の皆様の一助となるべく、各モデルを分かる範囲で比較・分類いたします。
▼ハイゼックスのコト、知っちゃお!~分類編
箱に記載の 適合車種 | 説明書 記載の車種 | 型番 | 新部番 | 特徴 | |
---|---|---|---|---|---|
[1] | 不明 | CD-125 | 無し? | 08101-23000 | エンブレムあり 下端尖ったシールド サイドプレートあり 上部取付不明 下部ステー長い |
[2] | 不明 | C70, C72 C110-C115 C200 | US90-B001 | 08102-02800 | エンブレムあり 四角いシールド サイドプレートあり 上部取付不明 下部ステー長い |
[3] | 不明 | U92-B003 | 08103-20200 | エンブレムあり 下端尖ったシールド サイドプレートあり 上部取付不明 下部ステー太く短い | |
[4] | 不明 | U200-B003 | 08102-03000 | エンブレムあり 四角いシールド サイドプレートあり 上部吊り下げ式 下部ステー長い | |
[5] | CS90 | エンブレムなし 四角いシールド その他不明 | |||
[6] | CD125K | エンブレムなし 四角いシールド その他不明 | |||
[7] | CD125K,3,4,5 | エンブレムなし 四角いシールド その他不明 | |||
[8] | CD50K1 CD50Z | CD125T CS65,CD50,CL50,SS50 CD125K3,4,5 CD50Z, CD50K1 CD90Z, CD90K1 | エンブレムなし 四角いシールド サイドプレートなし 上部吊り下げ式 下部ステー長い | ||
[9] | C-200 | ホンダロゴ入り 四角いシールド その他不明 | |||
[10] | CD50Z CD50K2 | US90-B001 | 08102-02800 | エンブレムあり 丸いシールド その他不明 |
なんとも欠落の多い資料ですが、当会がその存在を把握している9タイプをまとめると、
・エンブレムとサイドプレートは有るものと無いものがある。
・シールドは形状別で少なくとも3タイプある。
・上部取付は「吊り下げ」「直接固定」の2タイプにわかれ、Tボーン系は吊り下げ、クレードルフレーム車は直接固定っっぽい
・下部取付は「クランクケースにビス留め」と「エンジンマウントに共締め」にわかれる。ダウンチューブのあるCD125K・CD125Tが後者。
・説明書によれば一番新しいものでCD125T(1977)やCD50Z(1979)向けが存在する。
ことがわかります。
これらの状況から、上記の表では[3][4]の適合車両が不明ですが、型番から予想される通り、[3]はC92、[4]はC200のものである可能性が高いです。
しかし、情報を整理すると、新たな疑問が2つ浮上します。
・同じ車両向けでもエンブレムの有無があるのは何なのか?
・「標準装備」シールドとハイゼックスシールドが併売された車種があるのではないか?
そう、ネットで調べてハイゼックスのことを分かった気でいたけど、俺達は何もわかっちゃいなかったんだ……。
▼ハイゼックスのコト、もうわかんないよ… ~”Z世代”に潜む謎
前項の製品[8]ではCD125Tが適合車両として記載されています。
CD125Tの初期型(1977年)においてはレッグシールドは純正オプションという扱いで、次期モデルの CD125TZ(1979年)から標準装備化されました。
当時のカタログを見ても、初期型ではレッグシールドが付いていませんが、CD125TZではバッチリ装備されていることがわかります。
また、パーツカタログでは、「CD125TZ」にはレッグシールドの記載があるのですが、「CD125T」にはありません(使用しないことになっている)。
このことから、
・パーツカタログには標準採用部品のみが書かれており、レッグシールドが純正オプションの場合は記載されない。
ことがわかります。
CD125Tの場合は、ハイゼックス[8]説明書で「CD125T」に対応していることと、「CD125Tまではオプション、CD125TZから標準化」という車両の実態に矛盾はなく、筋が通っています。
しかし、「CD50Z」の場合はそうではありません。
ハイゼックス[8]説明書では「CD50Z」(1979年)も適合車両とされていますが、パーツカタログではこの年式からレッグシールドの記載がなされるようになっているのです。
そもそも、CD50のどの年式でもハイゼックスレッグシールドを装着することは可能ですが、逆は不可能で、Z以前の車両(無印[1968]、K1[1973])に純正シールドを装備することはできません(K2[1978]は不明だができない可能性が高い)。
これはフレームの構造の違いによるもので、標準レッグシールドはフレームのネック付近にステーをボルト留めするのですが、それ以前の年式ではこのステーを取り付けるものが存在しないためです。
写真のようにCD50Z以降のCD50では、レッグシールドの標準化にあわせて、フレームが変更されていると思われます。
考えられるケースは、
・実際にはCD50Zではハイゼックスシールドは販売されなかった。
・CD50Zでは「標準シールド」「社外またはオプションシールド(ハイゼックス)」が併売されていた。
の2つですが、これ以上は憶測の域を出ません。
果たしてCD50Zではハイゼックスが存在したのか、真実はオタクの夢の中だけに……ええ……はい……。
という感じでこの記事を終わらせるつもりだったんですが、
ぼんやりCD125T初期型のカタログを眺めていると、オプションとして紹介されているレッグシールドがなんかヘンなことに気づきました。
ハイゼックスっぽくなくない?標準シールドと同じじゃね?
ハイゼックスと言えば丸みを帯びた12VのCD系標準シールドとは異なるシュッとした細いシールドと、「下部飾座金」という下部の取付ステーです。
しかし、CD125Tのオプションシールドは、明らかにTZ以降の標準シールドと同じ外見に見えます。
ハイゼックスシールドを付けたCD125Tを見たことが無かったので、今回の調査で「存在はする」可能性が高まり大いに高揚していたのですが、これでまたわからなくなってきました。
CD125Tの「純正オプション」レッグシールドはいにしえのハイゼックスシールドではないのでしょうか?やっぱりCD125Tは現行車だったんだ!そもそもパーツカタログに記載がある=標準装備 とは限らないのか?
前提に疑問が生じ、手当たり次第ベンリイC/CDシリーズのパーツカタログを見てみます。すると・・・
ええ~~~!
というかこれはハイゼックス(U92-B003)と全く同じデザインだ。前提が崩れてゆく音がするぜ。もうなんもわかんねえよ。
さらに・・・
は?
こちらはハイゼックスらしくないデザイン。
というか上の方の表にリンクを貼った[6][7]を見ればわかる通り、CDK用のハイゼックスとは全然デザイン違うぞ。なにこれ。もうわかんねえよ。俺はおしまいだ。この記事は永遠にお蔵入りし決して日の目を見ることはない。
▼ハイゼックスのコト、解き明かしちゃお!~ユウセイレッドは特別だった
全てを失った俺は、部屋でゲームをしていた。もう死ぬまで二度と部屋から出ないぞ。
しかしゲームをしていても、どうしても脳裏にハイゼックスがよぎる。
特に、CDKのことが気がかりだった。
CD125Kはなぜレッグシールドが2種類あるんだろう。
しかもあの標準(?)シールド、CD125Tのオプションシールドと似てたな・・・
CD125はレッグシールドのパーツリスト記載なかったんだよな。適当なんじゃなくて、なにか理由や基準があるんだ。
CD125Kにあって、CD125Tにあって、ほかにないもの・・・。
ユウセイレッド・・・・・・?
CD125T(初期型)には無かったけどCD125T-MD(初期型)にはレッグシールドが設定されている!!!
ならばCD125Kは・・・?
●CD125K3・・・記載あり
●CD125K4・・・記載あり
●CD125K5・・・記載なし
●CD125K5-MD・・・記載あり
やはりな・・・!
特装車が鍵だったんだ・・・!
ビジバイには各種様々な官公庁・法人専用仕様車があり、リアキャリアやフェンダーなど専用装備も存在します。郵政や電力が有名ですね。
この中でも郵政省仕様は、専用装備も販売台数も多かったからなのか、CD125K5(1973年)より、市販車と区別して「ベンリイデリバリー CD125K5-MD」という別の車名で管理するようになります(車台番号はCD125K5と共通だけど車名は違うみたいだよ)。
つまり、
・CD125K3・K4で記載されているレッグシールドは郵政省向けの標準シールド
・CD125K5は「別の車種」としてMDと区別したため、K5MDでは標準装備として記載があり、K5(市販用)では記載が無い
・CD125Tは、CD125T-MDの郵政省向け標準シールドを市販向けの純正オプションに採用した
・さらにCD125TZ以降はT-MDのシールドを標準装備化した
・CD50・CD90ではMDは存在しないが、官公庁・法人仕様はあるので125と同じく標準装備化し、CD50Zから採用した
という理屈が成り立ちます。
謎としていたCD50Zについては、この記事を殆ど書き終えてから発見したのですが、分類編の表[10]の製品が鍵となりそうです。
品番こそCS90用のものと変わりませんが、CD50K2・Z用で、エンブレムがあり、かつその後のCD50標準レッグシールドと同じ意匠が採られています。
https://aucview.aucfan.com/yahoo/o1119937177/
仮説ですが、「エンブレムの有無」は、当時は「社外品」として売られていたものと、「官公庁用」に標準採用されていたものでの仕様の違いなのかもしれませんね。部品番号があるのだから、「官公庁用」のエンブレム入りレッグシールドを一般人が購入することも可能だったはずです。
最後に、C92ではなぜ標準シールド設定が、しかもマルシン工業製シールドと同じものが使われているのは何なのかという疑問が残りますが、パーツリストによると、このシールドは前身のC90(1958年)から採用されています。
ハイゼックス樹脂自体が58年量産化で、マルシン工業も58年に設立したばかり(創業は47年)という状況を考えると、これはもともとホンダがC100と同じようにC90向けに自社開発し官公庁・法人用に設定していたシールドで、その後マルシン工業が関与しその意匠を用いた製品を社外品、または純正オプション品として、標準採用されていない車両(CS90やC200など)向けに製造していたのではないでしょうか。
その後、CD125Kの時代により丸みを帯びた、幅の太いデザインに変更となり、それがCD125TやCD50などの息の長い車両にも受け継がれそのまま平成まで続いたのかもしれません。違ったらごめん。
(なので、それまでは
・ハイゼックスシールド=マルシン工業製の標準化以前のいにしえのシールド
・純正シールド=マルシン工業製でない現代最新シールド
と考えていたのですが、この流れが正しいとすると、現代最新シールドはハイゼックスの最終形態ということになり、実は森羅万象この世の全てがハイゼックスであるという事がわかります。
でも面倒くさいので当サイトでは、意匠変更前のいにしえのシールド=ハイゼックスという呼び方を今後も続けます)。
▼CD125Kでハイゼックスしちゃった!~MDと市販仕様の比較
さて、CD125Kで二種類のレッグシールドが存在することに気づき、比較をしたく関係各所に資料提供を求めました。
結果として、CD125K5とCD125K5-MD、それぞれのレッグシールド装着資料を入手しました(それぞれスライドショーになっています)。
CD125K5のハイゼックスシールドとK5MDの標準シールド、写真を見比べてみると、やはりMDのものはC92から続く従来のものとは全く異なり、その後の世代のCD125TやCD250Uのシールドとかなり近いデザインであることがわかります。
●CD125KT (提供:いぎりす国鉄様)
●CD125K5-MD (提供:あおり様)
ちなみに、CD125K5-MDのシールドは2台で微妙にサイズが違うとのことです。
そこで改めてパーツリストを漁ると、CD125K3・K4(303-810)、CD125K5-MD(303-810)、CD125T-MD(303-811)、CD125TZ(402-700)、CD250(298-812)でそれぞれ異なるシールドが使われています。
ステー類の部品番号的にはおそらくシールドは互換性がある(CD125K・CD250⇔CD125T・CD250Uで上部固定方法が異なるため、ここは工夫が必要)と思われますので、違う車種のシールドが付いていたのかもしれません。
なお、CD250Uではレッグシールドは純正オプションであるため、やはりパーツカタログへの記載はありませんでした。
▼CD50とハイゼックスした!~ 純正シールドとの比較を添えて
さらに日が経ち、すっかり満足しハイゼックスのことを深く考えるのをやめた頃、「CD50用のハイゼックスレッグシールド」を入手しました。
早速、それにふわさしい車両、1973年モデル CD50K1(CD50-110)に装着してみました。
ビス2点止めされたシールド下部の「飾座金」がハイゼックスレッグシールドの最大のチャームポイントです。おしゃれですね。
標準レッグシールドと見比べてみましょう。
標準シールドと比べるとだいぶ細身であることがわかります。
このレア感、見慣れない感、シュッとした感こそがハイゼックスの醍醐味です。
みんなはどのレッグシールドが好き?
ビジバイ買ったらレッグシールド。一度は考えると思いますが、よりレトロなハイゼックスシールドにも目を向けてはいかがでしょうか。
まったく、ビジバイは最高だぜ!
▼追記~”CD50Z”はふたつある
「CD50Z」が本稿の謎でしたが、完全に忘れていました。「CD50Z」は実は2つ存在します。
ひとつは「初期型CD50」の後期型、
もうひとつは「1979年式のCD50」
です。
初期型CD50は1970年に外装の大幅な変更を行っています。
・おっぱいウィンカー → プリンウィンカー
・プレスキャリア → パイプキャリア
・前後フェンダーを樹脂から鉄に
・楕円型テールランプから五角形テールに
・外装色の変更(黒・青・緑なのは変わらないが色味が違う)
・ポジションランプの追加
などです。
その70年以降の後期型を、ホンダの中でも一部の社内資料にのみ書かれているのですが、「CD50Z」と読んでいます。セル付きの場合はCD50ZM。
一方で79年モデルは、「CD50KZ」と呼ばれることがあります。
ホンダは80年から型式にモデルイヤーコードを取り入れます(80年はA。CD90Aなど)が、それ以前の79年に出た「CD50Z」は、70年の「CD50Z」と区別のために、一部資料ではKZと呼ばれるのです。「Z」自体はCS90ZやCD90Zなどのように、他車種では新型アピールで付けられる型名でしたが、CD50の場合はこのようなごちゃごちゃが存在していました。
ハイゼックスの「CD50Z」は、79年の「CD50KZ」ではなく、70年の「CD50Z」かもしれませんね。
そう考えると色々筋が通ります。
以上