某県某所。
埃まみれのビジバイを前に固まる男ふたり。
僕たちは、心の中に湧き出る「どうすんだこのゴミ……」という感情を、「味わい」という単語に置き換えてから吐き出す必要があった。
しかし、この「味わい」こそがビジバイがビジバイとして生きた証であり、
僕たちは、眼の前に現れた完璧で究極のボロバイクに興奮を隠せなかった。
そう、ビジバイとは、「侘び」「錆び」の心なのだ。
***
というわけで、
「おい……見てるかヤフオク……」
「70年代のビジネスツインを落札したのだ……!! 」「しかも、2台も同時にだ…」
とかいういみわかんないことしちゃったフォロワー氏から輸送業務をご用命いただき、朽ちたビジバイを見物して参りました。
見てきたのは「CD125K5」。
ベンリーミーティングでもお越し頂いておりますね。今回は不動車ゆえの全裸、不動車だからこそ観れる細部をじっくりと眺めてきました。
▼“CD125K5”とは
CD125K5とは、73年に発売された「ベンリイCD125」の最終モデルです。
「CD125K」なんて呼ばれることもありますが、実際にはそのような車名はないんですねー。C92の後を継ぎ、次代CD125T(1977~)に後を託す、4つのモデルが”CD125″なのです。
が、CD125とCD125Kはフレーム構造が大きく異なる(CD125はTボーンフレーム、CD125Kはセミダブルクレードルフレーム)ため、一般的には別の車種と見なされているように感じます。
年式 | 型名 | 車台番号(初号機) |
1966 | CD125 | CD125-100 ※67年発売「CD125A」(廉価グレード)も同じ |
1969 | CD125K3 | CD125K-200 |
1971 | CD125K4 | CD125K-300 |
1973 | CD125K5 | CD125K-500 |
▼メッキタンクはもう古い、時代は塗りタンク
「CD125K5」の最大の特徴は、この茶色のタンクです。
本シリーズではCD125からCD125K4までメッキタンクでしたが、K5では塗りタンクを採用。以後、後継モデルのCD125Tでも踏襲し、1979年の「CD125TZ」まで塗装タンクが続きます。
世は大メッキタンクブーム。
猫も杓子もレトロで渋いメッキタンクのビジバイを探し求める時代において、70年代の塗りタンクベンリイ(CD125K5以外に50・90・125Tの一部のモデルで存在する)は残念ながら現代ではあまり人気が無いようですが、個人的には重厚感があって好きです。
CD125K5 – CD50K1 – CD90K1、CD125T – CD50K2 – CD90K2・・・といったように、塗りタンクはデザインが50・90・125で完全に同じものに統一されているのもポイントが高いですね。今は安いがそのうち塗りタンクの時代が来ます。
▼呼応するビジバイのオタク
さて、ビジバイマニアあるあるなのですが、個人売買でマニアックなビジネスバイクを買うと、大体相手も同好の士、ビジバイオタクだったりします。
この日の指定場所でも「仏閣」「馬蹄」「おにぎりメーター」などなど、マニア垂涎のビジネスバイクが並んでいましたよ。
中にはこんな車両も。
🐣「うわぁ、マーチン号やば~~~い」
👨「よく知ってんなァ、ふつうの人はマーチンわからねえヨ」
🐣(ふつうの家はマーチンなんか置いてねえヨ……)
そんなこんなで味わいバイクをたっぷり見させてもらってから回収、フォロワー宅まで配達。
そこからは日頃見られないCDKのあんなところやこんなところを穴が空くほど眺めてまいりましたので、写真をまじえて紹介します。…って既に錆穴だらけだった!!
▼CD125K5のあんなところやこんなところ
▼いかがでしたか?
いかがでしたでしょうか?もっときちんとCD125K5のことを調べようとしましたが、2024年3月現在、メーカーはパーツカタログを公開していないようです。今後の展開に期待ですね!
※当サイトではCD125・CD125K3・K4・K5のパーツカタログを所有しております。何かお困りのことがございましたらお気軽にお問い合わせください。
▼ベンリーのホームページでは便利なネタを募集しています
当サイトでは整備、増車、破壊などベンリィにまつわる面白そうなネタを募集しています。
「なんかよくわかんないビジバイ出土したんだけど見て」
「破壊するけど見学する?」
「増車するから運んで~!」
喜んでお供させていただきます。お待ちしております。
▼不動車の後は実動車で遊ぼうなッ!
朽ちた不動車でキャッキャするのも楽しいですが、実働車のイベントも動きがありますよ~!
・4月28日の甲府行ベンリーツーリングは12日までエントリーを行っています。
詳細はこちら!
・7月14日に「森の駅 箱根十国峠」で行われる「十国峠原付ミーティング(公式)」で
今年もやります、「ベンリーミーティング出張編2」。
本日4月1日からエントリーを開始します。別途記事作成しますのでお待ちください。